『崖の上のポニョ』とスケボービデオの巻。

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この前のライブの日、宮崎駿の『崖の上のポニョ』がテレビ初登場で、録画していたのを見たのですが、みなさんアレをどう見たのでしょうか?

賛否両論な作品らしいのですが、自分は近年の宮崎作品の中ではダントツで面白く見ることが出来ました。

映画が始まって台詞がなく、それを補うようにキャラクターの動きに合わせた音楽が流れた時、なんとなくコレは「ディズニー作品っぽな~ファンタジアっぽいな~」と思っていたのですが、映画を見ているうちにこの作品はキャラクターの動き、特に欲望のままに元気に動き回るポニョの動きをアニメーションとして堪能するための映画のように思いました。
だから物語として「え?」って思う部分は多いのですが、画面から弾け出る勢い一発でガンガンと引っ張っていく映像作品のように感じました。

特に波に乗って走って追っかけてくるシーンが凄く、そのシーンを見た時、自分は思わず爆笑してしまい、さらにコレってスケボービデオに近いな~と思いました。

↓こんな感じ
http://www.youtube.com/watch?v=bc5iQ68O_0E

スケボービデオってストーリーがなくて、ひたすらスケーターが街をジャンプしたりして滑るシーンを繋げたモノで、ポニョってまさにコレだなと。ほぼノリ一発でガンガン行ってしまう感じ。

だから動きに集中した作品のために物語としての重さは無く、ソコが意味や物語を重視する大人よりも動きに反応する子供に対して作られた作品なんだろうなと。

職場の学童でビデオを見た時、子供って動き回ってヒヤヒヤ・ドキドキするシーンに無茶苦茶反応するんだよね。

よく「あの洪水で人が沢山死んでるだろ!!」というツッコミもありますが、スケボービデオも何回も転んで、下手したらドン引きするようなケガもしつつ、勢いを重視して成功した所をつなげてスピード感を出しているわけで、ポニョも勢いを重視したのだろうなと。


最近の宮崎作品はどうしても説教くさい部分があって、自分はソコがともて嫌いだったし、物語を語らない方向性に向かっていたのですが、やはりこの説教臭さが鼻についてしまってノイズになってしまったように思います。

でもポニョは徹底的に意味やら深読みする部分を排除して、本来アニメーションが持つ動きや勢いに重点を置いて、徹底的に子供向けに作ったモノなのだと思います。

この突き抜けた感じが宮崎駿の新しい方向性なのかなと思います。

画像は妻(左)と自分(右)が描いたポニョです。
微妙に可愛くないですw