『home loop』の音楽的バックグランドは?ヒップホップ編の巻。

http://img09.shop-pro.jp/PA01040/196/product/31681651.jpg?20110519181658
在庫を十枚補充しましたので、ただ今アルバム『home loop』の販売が再開されました。しつこい様ですが、ぜひぜひお買い求めくださいませ。

LOVE RECORDS
http://love-records.net/?pid=31681651

hirotec 5th album "home loop" sample
http://youtu.be/RzMXW0Ao3Oo
hirotec 帰る道 PV
http://youtu.be/BYJ1BPIF5Hs

嬉しい事に、妻のお母さんがブログにこのCDの宣伝をしてくれました。ありがとうございます。ありがたいっす。

S家の別宅


【『home loop』の音楽的バックグランドとは?】
自分が作ったこのアルバムのジャンルは、自分としては「テクノ」なのですが、実はヒップホップからもかなりの影響を受けています。今回はソレについて書きたいと思います。

(ヒップホップ編)
まずはクラシック中のクラシックのこの曲です。

B-BOYブンガク スチャダラパー
http://youtu.be/7qgRvSYypKk

いやはや名曲です。でこの曲のドコにアルバムが影響を受けたのかというと、リリック(歌詞)が切り取った冬の街の描写ですね。

「冬を照らすオレンジの街灯が オレたちの体を暖めた」

自分はこの歌詞が大好きで、こうゆう風に自分が住んでいる「街」を音で切り取って表現したいと思いました。確かスチャダラは海外のラップの訳詩みたいなラップが作りたいというコンセプトでこの曲を作ったそうです。
ちなみに『帰る道』のPVでオレンジの街灯に照らされた道路を写したのはモロにこの歌詞の影響です。

それにしてもスチャダラパー日本語ラップの入門編として聴きやすく、でもクオリティーが高く、凄いと思います。

S L A C K Good More PV
http://youtu.be/Ai3DsoyeVac
S.L.A.C.K. / Deep kiss
http://youtu.be/ieR8t1L8HIY

アルバム制作中はホントにS.L.A.C.K.のファーストアルバム『my space』を聴きまくっていました。
このちょっとズレやタメのあるシンプルなトラックとラップが化学反応を起こしてクセになってしまいます。

ズレのある、モたるトラックといえばJ-Dillaが大元で、S.L.A.C.K.もその影響下にあるのはわかるのですが、ソレを日本人として消化し、一番上手く表現しているように思います。

で「home loop」はこのわざと「ズレる」所に影響を受けています。
でもS.L.A.C.K.のズレは「ためる」ためや「もたる」ために一部をズラす、いわゆるファンキーなズレなのですが、自分は逆に正確にフレーズがズレるように打ち込みました。

バスドラだけ全部微妙に後ろにズラす(『真夜中の食器』はこの手法ででつくりました)とか、三拍子と四拍子のフレーズを同時にならして、フレーズがズレてまた元に戻るなどなどです。
拍が取りにくいので、曲の輪郭がぼやけるようになります。


Anomaly "Dust" The Long Road
http://youtu.be/LOdXujxh1z0
Anomaly "Recognize" The Long Road
http://youtu.be/6rF2TRxaSQg
Anomaly "Chill" The Long Road
http://youtu.be/v27zUdVk5H0

最後はシカゴのビートメーカー、Anomaly。この人自分は滅茶苦茶凄い人だと思うのですが、あんまり有名じゃなく、過小評価されていると思います。

このモァ~とした音像や生音と電子音と太いビートとの絶妙なバランス。エレクトロニカ寄りのビートメーカーのほとんどがプレフューズの影響で音を切り刻む事しかしなくなってしまった中、ボヤ~と長いループでフレーズが展開していき、つかみ所の無い、独特な不思議な浮遊感を表現していて、そのオリジナリティーはホントに尊敬します。

「home loop」でもメインで鳴っているフレーズの後ろに広がる音像をかなり意識して作りました。でもまだまだかな~。

このAnomaly の『The Long Road』はホントに名作なのでオススメです。
ただ凄い不思議なのは買ってすぐはあまりピンと来ずに、一年くらいたった時に急に音にハマるアルバムなんですよね。もうかれこれ三年くらい聴き続けています。