hirotec 3rd album - 『再会の星にて』全曲解説の巻。

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いよいよアルバム『再会の星にて』の配信が始まりました!!
http://www.elegantdisc.com/release2.html
https://elegantdisc.booth.pm/items/415663

このアルバムはelegantdiscからは3枚目のアルバムですが、昔のCD-R作品をカウントすると8枚目のアルバムであり、Roland MC-307での最後のアルバムになります。

今回のアルバムは全13曲で構成されていて、今回はその13曲の解説をしたいと思います。

1.再会の星にて
 アルバムタイトルでもあるこの曲は息子が産まれた時の事を曲にしました。自分はあんまり前世とかは信じないのですが、地球は生命が再会する星なのでは?ということを思いつき、アルバムのタイトルにもしました。なんとなくSFっぽいタイトルで気に入っています。

2.遠くとどくまで
https://youtu.be/mPMEt30OGKk
 この曲は丁度息子の出産で妻も娘も妻の実家へ帰っていて、hirotecの曲を娘を寝かしつける時に聴かせているという話を聴いて、新しい曲をYouTubeに動画でアップするhome liveを思いついた時の曲です。珍しく展開も多く、結構複雑な打ち込みをしました。ラストのストリングスが残るアイディアは教授の戦メリのサントラを聴いていて思いついたものです。

3.raincoat dance
 タイトル通り、雨の日に娘がレインコートを着て保育園に行く時に楽しそうにスキップをしていたのを曲にしました。ゆったりとした四つ打ちで、ライブでもよくプレイしました。

4.大きな公園
 これはよく遊びに行く近所の防災公園の曲です。娘の保育園の友達が集まってわ~って遊んでいる雰囲気を曲にしました。実はこの曲は1回完成していたのですが、質が落ちていることをレーベルオーナーに指摘されて初めて気付き、原因を突き止めるのに時間がかかりました。結局は使っていたフィルターの問題だったようで、ソコを直し、さらに手直しして完成した曲です。

5.みずたまり
 ハイハットの音が水が垂れている音に似ていて、このタイトルにしました。水たまりはちっぽけなものですが、その中に宇宙が広がっているイメージで作りました。ちょっと90年代のインテリジェンステクノっぽいかもしれません。

6.遠海
https://youtu.be/kOyMfQ9c2iU
 アルバム唯一のヒップホップビートの曲です。海の中のようなイメージがありこのタイトルにしました。他にもこういったビートの曲をつくったのですが、この曲が一番完成度が高く選曲されました。ハイハットを適当に打ってそれをループさせる手法をつかっています。

7.95-15
 タイトルの「95-15」は「1995年~2015年」の20年を意味しています。1995年は自分がケン・イシイの『ジェルートーンズ』によってテクノに出会った年であり、あの時の「ベットルームで作った音が世界に広がって行く」的な言説やらを真に受けたり、クラブに行けないから部屋を暗くして、ラジカセにヘッドフォンを繋いで踊ったりしていた時期の自分を思い出して作った曲です。なんとなく当時超尊敬&崇拝していた東洋のテクノゴットことケンイシイの影響を曲から感じたためにこのタイトルにしました。
 この「95-15」と「みずたまり」は似た曲で双子のように感じています。

8.貨物列車にて
https://youtu.be/1B4k8Eogc_g
 この曲は前にブログでも書いた「五つ打ち」の曲です。直線的な曲を聴くと自分は乗り物に乗っているイメージが沸くのでこのタイトルにしました。夜中に貨物列車が街から街へ走っている感じです。「五つ打ち」についてなどはコチラのブログをお読みください↓
http://blogs.yahoo.co.jp/hirotecxmc307/65838930.html

9.タイムマシン
 途中で加わるフレーズが昔のSFに出てくるタイムマシンの効果音みたいだなと思い、形になった曲です。ライブだとそのフレーズを残してBPMが違う曲へのブリッジとしてよく使っていました。「95-15」とも関連がある曲で、90年代のテクノに出会った時の自分にタイムスリップするイメージもあります。

10.彗星の針
 アルバムの中で一番フロア向けな曲かなと感じた時に、そういえば今はCDやPCでDJをやるのが当たり前の時代になった事、そしてあのレコード盤に針を落とす時のドキドキ感はもう無いんだな~と改めて思い、自分がレコードでDJをしていた時を思い出して、レコード盤が宇宙で溝を彗星の針が走り抜けるイメージでこのタイトルが出来ました。

11.nenta
https://youtu.be/4L36bdKvCbs
 この曲のタイトルの「nenta(ねんた)」とは娘がいつも寝る時に持っている「ねんねタオル」の事です。ねんたのように寝ている子どもたちを見守っているような感じを曲にしました。

12.日曜日
https://youtu.be/1QJMbe1gAfA
 これは初めてシカゴで産まれたフットワークという名のダンスのための音楽「JUKE(ジューク)」に307で挑戦した曲です。もともとゲットー感丸出しのベースミュージックをhirotec的にアレンジするのに苦労しました。タイトルの「日曜日」はこの曲を聴いた妻が「日曜日のワクワクして楽しいけど、終わってしまう切なさみたい」と言っていた所からつけました。

13.ちいさな太鼓
https://youtu.be/Un1xkguThLQ
 アルバムの最後の曲はドラムンベース風のトラックです。確かこの曲は娘がおもちゃの太鼓を踊りながら叩いていた事を曲にしたものです。途中でフレーズが展開するのはフィルターのon,offだけで変化をつけています。hirotecの中でもかなりポップな曲です。

こうして13曲を振り返ると、よくまあコツコツと作ったもんだな~と我ながら感心してしまいます。ぜひぜひダウンロードしてお聴きください。