今年の音、今年のうちにの巻。

あっという間に年末で、今年を振り返るような時期になっていました。
今年もいろいろあっていろんな音楽を聴いたなと言うことで、今年よく聴いた音楽、そして今後の自分の音に影響を与えるだろう音楽を上げたいと思います。

Beroshima - Polyphonication [Mueller Record]
http://youtu.be/WpJvav0OAQQ

このアルバムは日本語ラップばかりを聴くようになり、すっかりテクノから遠ざかってしまった自分に対してグーでパンチされてぶっ飛ばされるほどの衝撃作品でした。

ぱっと聴くと単なる四つ打ちのテクノなのですが、よく聴くと凄い細かい構成と構造で出来ていて、フレーズが絶妙なタイミングで出てきては消えて行き、何回聴いても全体像がつかみきれないように出来ています。
しかしその一方でしっかりフロアー対応された音でもあり、ベロシマのサウンドでもあり、このバランス感覚は本当に凄いと思います。新しい次元に行ったテクノだと思います!!(ただテクノ世間的にあんまり話題になっていないし、評価されいないのが納得いかないっす!!)


Clams Casino / Instrumental Mixtape
Clams Casino - All I Need
http://youtu.be/a3Sn8n0DOs4

これはこのブログでも何回も紹介した作品です。全く知らないアーティストなのですが、偶然ele-kingで知り、フリーでダウンロード出来たので試しに聴いたらコレが自分の好みにストレートにドンピシャ!!

コレも何回も書きましたがプレフユーズ73以降のヒップホップとエレクトロニカを組み合わせた音は細かくエディットする方向性ばかりになってしまい、1曲単位では聴けるのですが何曲も続けて聴くのは正直つらいんですよね。
そんななか、この人の音はまるで90年代のアブストラクトヒップホップのような質感と重みがあり、どっしりとした構え。それでいてしっかりと現代的な部分もあり、ぐっと来る音です。

しかもコレがなんと無料でダウンロード出来るなんて、エラい時代になったな~と思います。
ぜひぜひダウンロードしてみて下さい。
Download


Anarchy - Playing In The Ghetto (Prod. by Muro)
http://youtu.be/_Z7qIo6T3-g

アナーキーのアルバム『Diggin' Anarchy』もよく聴いたアルバムです。自分が思うにラッパーがアルバムを出し続ける事って凄い難しい事のように思います。
ラッパーは自分の事やその経験や価値観を歌詞に書き込む事が多い表現者なため、アルバムのリリースを重ねていき、同じテーマを繰り返してしまうと「あ~また同じ事言ってる」となってしい、逆に新しいテーマになると「あ~変わっちゃたな~」となり、変に社会問題をテーマになると「なんか背伸びして無理しちゃっているな~」となってしまうのです。

しかしアナーキーのこのアルバムで、自分自身の事だけでなく、恵まれないハードな環境にいる周りの人々や、子どもたちの視点でラップされたものがあり、自身の経験をより普遍的な表現に昇華しているように思います。
アルバム構成的にもいろいろなバリエーションの曲があり、すっきりとしているので通して聴けるものになっています。


KAKATO / KARA OK
http://kakato01.tumblr.com/

これは最近ヘービーローテーションのアルバムです。
環ROYと鎮座ドープネスのユニットでアルバムまるごとフリーダウンロード!!

このアルバムのなにが凄いかというと、ラップのバックトラックのほとんどが日本のポップやロックからサンプリングしていることです。
しかもサビでは元の曲の歌手が歌い出し、本当にビックリします。
上のページだと原曲へのリンクが貼っているので、そのサンプリングセンスも原曲の素晴らしさがわかります。

そもそもラッパーってライブだとよく他人のインスト曲(様はカラオケバージョン)の上にラップしているんですよね。だからアルバムタイトルが『KARA OK』なのも秀逸です。

ラップも日常感がすばらしく、本当に素晴らしいアルバムです。ぜひぜひダウンロードして聴いた後に、元ネタも聴いてみて下さい。(アルバムはスキットを抜かして聴くと締まりがあって聴きやすいと思います。)


Tycho - Hours
http://youtu.be/E-R1WFkLhXU

これはただ今よく聴いているアルバムです。今後の自分の音に確実に影響を及ぼしそうな音だと思います。