娯楽としての暴力の巻。

妻が実家へ帰っていたので、前から見たかったけどアカラサマに妻の趣味には合わない映画を2本借りて見た。

一つは『キックアス』そしてもう一つは『ヒーローショー』

2作品ともいろんな所で好評な映画で前から見たいと思っていた映画でした。

『キックアス』は冴えない高校生の男の子がヒーローの衣装を着て自警団的に街を歩いていたら、あるケンカに巻き込まれその動画がYouTubeで公開されたことで、有名になるのだが、ギャングへの復讐のために活動している父娘に出会い、巻き込まれていくというお話。

KICK ASS - キックアス 予告 (字幕)
http://youtu.be/Kbpz9opC_OQ

このヒットガールのアクションがあまりにも凄くてビックリしました。特にラストはストーリー的にも復讐としてギャングのビルに乗り込むわけでグ~ッとバイオレンス・アクションが盛り上がります。

ただアクションが凄いだけでなく、ヒットガールが父親のバックアップがあることで成り立っていたのに、父親がいないために攻め込んだ先で行き詰まってしまうという所の演出が細やかでグッと来ました。

見てスカッとするバイオレンス・アクション映画でした。

そして『ヒーローショー』。コレが『キックアス』とは真逆のバイオレンス映画でした。

予告編
http://youtu.be/7oVeY6Yk45A

ある事をキッカケに暴力の連鎖でどん詰まりになっていく若者を描いた映画なのですが、これがもう目を覆いたくなるほどのイヤ~なバイオレンス。そしてリアルな日常の延長上にある犯罪に巻き込まれていく不穏な空気感と恐怖。

さらに後半は出会うはずのなかった二人の男が、もしこんな事件ではなく、普通に出会っていればと切なくなる男の友情が、うっすらと芽生えるようでいて、別れていく・・・・

凄い映画でした。
なにより行き場のなさやどん詰まり感のリアリティーから、集団でのリンチが、お互いの度胸試しや、結束感や共犯者意識からドンドンと歯止めが利かなくなっていく所などホントに怖かったです。

「キックアス」を見て思ったのは、「娯楽としての暴力」というものがあり、人間はバイオレンスによってスカッとする部分があることです。
特に復讐劇はそうで、ソレを否定する人もいるかもしれないけど、水戸黄門だってこのスカッとするバイオレンスだと思います。

その一方でこの「娯楽としての暴力」はあくまで娯楽であって、実際の暴力はまさに「ヒーローショー」が描いたような、全く出口のないものであるわけです。

う~ん上手く言いたいことが書けないなw
どちらにしろ、面白い組み合わせでこの2作品を見れて良かったです。